【シネマプレビュー】「私の知らないわたしの素顔」


 会員制交流サイト(SNS)で24歳のクララと偽り、知り合った若い男と疑似恋愛に溺れていく主人公のクレールは、実は50代の大学教授という設定。虚構の世界にのめり込み過ぎると後戻りできない状況に陥ることもある。主人公を演じたのはジュリエット・ビノシュで「こんなビノシュは見たことがない」と評され、新境地を開いた作品だ。

 夫や年下の恋人から捨てられた中年女性の深層心理を描いたサイコサスペンス。同年代の女性には、鏡に映った残酷な現実を見せつけられたようで胸に突き刺さる。

 17日から東京・Bunkamuraル・シネマ、2月21日から大阪・シネ・リーブル梅田などで全国順次公開。1時間41分。(啓)

 ★★★☆

 (★5傑作 4見応え十分 3楽しめる 2惜しい 1がっかり ☆は半分)



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