SBIホールディングスの北尾吉孝社長は産経新聞のインタビューで、経営難に陥った地方銀行の再生に強い自信を示した。一問一答は以下の通り。
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--「第4のメガバンク構想」とは何か
「(メガバンクが)3つあって4番目かと思うかもしれないが、関係はない。経営として一つになるのではなく、全国展開でさまざまな技術を導入し、“互助の精神”で難局を乗り切りましょうという話だ。ATM(現金自動預払機)は全部共有化し、本人確認やマネーロンダリング(資金洗浄)対策も共通にする」
--長引く超低金利で地銀の収益力は低下した
「われわれが資産運用の高度化にいろいろ協力する。豊富な商品群を紹介し、お客様に選んでもらう。国内外で投資先も紹介したい」
--銀行業界は激変期を迎えている
「この20年で実感したのはインターネットの力の大きさ。平成19年に住友信託銀行と合弁で住信SBIネット銀行を始め、預金量はあっという間に5兆4000億円を超えた。次のステージは『ネオバンキング』だ。銀行はなくなり、提携先にその機能を使ってもらい、顧客基盤を拡大する」
--地銀を再生できるか
「十分できる。われわれはベトナムや韓国、ロシアの銀行に投資し、再生させてきた。強い顧客基盤を持ち、地域経済と密接な関わり持つ地銀が(超低金利など)マクロ経済の環境で辛い目に遭っている。SBIのノウハウをフルに生かせば立て直しは簡単だ。経営幹部が改革の強い意志を持っている銀行を支援する」
--地銀の停滞感は強い
「地方の銀行は数が増えることもなく、競争環境が長い間変わらなかった。マクロ経済の変化に付いていけず、放っておけばどんどん潰れる。政府は処方箋として、かつての都市銀行のように地銀同士を合併させようとしているが、規模が拡大しても人はすぐに切れない。支店を統廃合で減らす程度だ。この問題に対応するには、われわれが20年間実証してきたテクノロジーの力を使う必要がある」