屋内でも安定飛行 千葉大発のベンチャーが小型産業用ドローン発売



小型ドローン「Mini」を手にする自律制御システム研究所の鷲谷聡之最高執行責任者(COO)=23日、東京都中央区(松村信仁撮影)

 千葉大学発の小型無人機(ドローン)ベンチャー、自律制御システム研究所(ACSL)は23日、国産の小型産業用ドローン「Mini(ミニ)」を開発、同日に発売を始めたと発表した。屋内の狭小空間でも安定飛行でき、積載物がない場合は最長48分の連続飛行が可能だ。

 全長70・4センチ、高さ30センチ。重さ3・15キロ。高度150メートルまで、風速毎秒10メートルまでの風なら飛行可能。操縦を担うフライトコントローラーは独自開発のものを採用。機体に6個のセンサーを搭載し、前方との物体の距離を一定に制御、周囲との衝突を回避する。

 別売りのプログラムにより、トンネルの中など、全地球測位システム(GPS)対応衛星からの電波が届かない環境下での自律飛行が可能だ。

 小型ドローンは中国製が主流だが、ミニの通信関連部品は国内製を採用し、最終組み立ても国内で行うなど、セキュリティーを気にする企業のニーズに応えた。

 本体価格は80万円(消費税別)。主に交通などのインフラ(社会資本)関連、プラント、建設関連業界を中心に拡販。初年度100台の販売を見込む。

 ACSLは、野波健蔵・千葉大名誉教授の研究開発による独自の飛行制御技術をもとに、平成25年11月に設立。30年12月に東証マザーズに上場している。



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