【カイロ=佐藤貴生】イスラエル政府は26日、サウジアラビアへの渡航制限を一部緩和すると発表した。両国の間に国交はないが、イスラエルのネタニヤフ首相は、核・ミサイル開発や周辺国への影響力行使を図るイランへの危機感を共有するサウジなどとの関係改善を図ってきたとされる。
ロイター通信によると、イスラエルのデリ内相は聖地メッカに巡礼するイスラム教徒と、投資や会合を目的とするビジネスマンに限り、サウジへの渡航を認める声明を出した。サウジ側はコメントしていない。
アラブ連盟(22カ国・地域)のうち、イスラエルと国交があるのはエジプトとヨルダンの2カ国だけ。サウジやアラブ首長国連邦(UAE)などの湾岸アラブ諸国はイランの脅威への対処に加え、イスラエルのIT(情報技術)に関心を寄せていると伝えられてきた。