アフリカ東部にバッタの大群が襲来している。大雨などの気候変動が大発生の原因とみられ、ケニアでは過去70年で最悪の規模に。隣国ソマリア政府は2日、非常事態を宣言した。バッタは畑の作物を食い荒らし、一帯が深刻な食糧危機に陥る恐れが高まっている。
視界を遮るほどの群れが押し寄せ、なすすべがなく立ち尽くす住民たち。ケニアのテレビ局が4日までに、バッタが襲来した村の様子を報じた。
「食糧事情が悪化しかねず、危機的だ」。国連食糧農業機関(FAO)幹部が訴えた。FAOによると、1平方キロ内のバッタの群れには約4千万匹がおり、1日で約3万5千人分の作物を食べ尽くす。ケニアで昨年末に飛来が確認され、2400平方キロの広範囲に及ぶ大群もいたという。
アフリカ東部は近年、大雨だけでなく干ばつにも見舞われ、作物が十分に育っていなかった。バッタの大発生前から約1900万人が食糧不足に直面しており、一層の悪化が懸念されている。(共同)