九州「正論」懇話会の第144回講演会が4日、福岡市中央区のホテルニューオータニ博多で開かれ、国際政治学者のグレンコ・アンドリー氏が「平和ボケが日本を滅ぼす」と題して講演した。
グレンコ氏は母国・ウクライナのクリミア半島が2014年にロシアに併合された経緯を説明し、「ウクライナは大規模な軍縮で無防備になった結果、ロシアに攻撃された。一定の軍事力を持っていれば戦争が起きなかった可能性が高い」と語った。
さらに、軍拡を進める中国などを念頭に日本の防衛体制の確立を訴えた上で、「日本とウクライナは愛国心の欠如や外国に作られた歴史認識など共通点がある」と指摘。「平和ボケしている国民は選挙でも正常な判断ができず、不適切な指導者を選ぶ可能性がある。情報発信や教育が必要だ」と警鐘を鳴らした。