「社会人の心構え、十分でなかった」 裁判官、沢尻被告に説諭





初公判で主治医の証人尋問を聞く沢尻エリカ被告=1月31日(イラストと構成・松川久美)

 自宅マンションで合成麻薬MDMAなどを所持したとして、麻薬取締法違反の罪に問われた女優、沢尻エリカ被告(33)の判決公判が6日、東京地裁で開かれた。滝岡俊文裁判官は「薬物の社会的害悪を顧みない安直な動機に基づく犯行」として懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。

 滝岡裁判官は判決理由で、薬物を入手できる男性との関係を断つよう周囲に進言されながら、薬物の幻覚作用などの魅力から関係を続けていたと指摘。イベントなどで使うためLSDや薬物を隠し持っていたことを「相応の非難に値し、刑事責任を軽くみることはできない」とした。

 一方、反省し入院治療を受けたなどとして「今回に限り自力更生の機会を認めるのが相当」と、執行猶予をつけた理由を述べた。

 また、判決後に滝岡裁判官は「他人を思いやるという社会人として備えるべき心構えが十分でなかったように思う。年齢相応の信頼をされるよう努力してほしい」と説諭。沢尻被告は時折うなずきながら裁判官の言葉に耳を傾けた。

 判決によると、沢尻被告は昨年11月16日、東京都目黒区の自宅マンションで、MDMAを含む粉末約0・19グラム、LSDを含む紙片約0・08グラムと液体約0・6グラムを所持した。

 沢尻被告は今年1月31日の初公判で起訴内容を認め、女優復帰は「考えていない」と発言。「心配してくれる人の意見に耳を傾けず、現実から逃避した世界で偽りの友情から抜け出せなかった」と述べ、関係者らに謝罪していた。

 沢尻被告は映画「パッチギ!」や「ヘルタースケルター」などで好演。今回の事件で、出演予定だったNHK大河ドラマ「麒麟がくる」は代役を立てて撮り直しになり、CMに起用していた複数の企業も配信をやめるなど対応に追われた。



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