三菱UFJ銀行の労使が今年の春闘で、行員一律のベースアップ(ベア)を廃止し、個人の人事評価に基づいて賃上げ率を決める仕組みで合意する見通しになったことが10日、分かった。年功序列から実力本位にかじを切る。トヨタ自動車労働組合も評価に応じ、従来よりベア額にめりはりをつける制度を要求する。日本企業に成果重視の枠組みが広がりそうだ。
三菱UFJ銀の労組は今春闘でベアではなく、給与と賞与を合わせた報酬総額の引き上げについて経営側と交渉する方針だ。増額を勝ち取れば、令和2年度以降の給与は増額分を個人の評価で傾斜配分する。
労組は2月下旬に要求案を固め、3月下旬に労使合意を目指す。IT活用などで人員の自然減が見込まれており、昨年春闘は「業務変革の頑張りに報いる」として4年ぶりのベア実施で妥結していた。