日本製鉄・和歌山の高炉休止 地域経済や雇用に影響懸念





高炉1基の休止が決まった日本製鉄和歌山製鉄所=和歌山市

 日本製鉄が全国各地の組織を大規模再編し、和歌山製鉄所(和歌山市)の高炉1基を令和4年9月末までをめどに休止すると発表したことを受け、和歌山県内では地域経済や雇用などへの影響が懸念されている。自治体は早急に影響を抑える対策に乗り出す方針だが、一部の協力会社などからは不安の声も聞かれた。

 日本製鉄が和歌山製鉄所の高炉1基休止などを7日に発表したことで、自治体は週明けの10日も情報収集に追われた。

 和歌山製鉄所は昭和17年に操業を開始。天然ガス開発用の継ぎ目のないシームレス鋼管や、機械製品や建造物に使われる形鋼(かたこう)などを製造している。

 和歌山県などによると、ピーク時の昭和40年代半ばには年約900万トン強の粗鋼生産体制を誇った。近年は国際競争の激化や需要低迷などで、約400万トン強に低迷していた。

 それでも、和歌山製鉄所では約3500人を雇用。協力会社では約1万人を抱えるとされ、県の担当者も「和歌山経済を支える代表的な企業のひとつ」と説明する。

 日本製鉄が今回休止を決めたのは、2基ある高炉のうち平成21年に稼働した高炉1基。県では、協力会社も含め約500人程度の雇用に影響する可能性があるとみる。ただ、県内の他企業では近年、人手不足もみられるため、県の担当者は「余剰人員が出れば人手不足の地元企業が受け皿となり、吸収される可能性もある。県としても情報発信に努めていきたい」と動向を注視する。

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