政府が今春から、車に搭載された自動運転機能の性能を確認する方針を決めたのは、これまでは安全支援にとどまっていた自動運転技術が、「レベル3」以降、新たな段階を迎えるからだ。特定の条件下で運転主体が人ではなくシステムになり、利便性の大幅な向上が期待される一方、これまで以上に安全性の確保が重要となる。「3」解禁のほか、東京五輪・パラリンピックを契機に実験的な取り組みも相次ぐ今年は、自動運転技術の発展と活用をめぐる重要な節目となりそうだ。
4月頃に改正道路運送車両法が施行され、レベル3が公道で実現できるようになる。レベル2までとの最大の違いは、システムが運転している間は、運転席に座る乗員がスマートフォンの操作やテレビの視聴などをできることだ。
レベル3に関しては、ホンダが年内に「実用化」する方針を示しており、対応車種を発売する公算が大きい。昨夏のメディア向けイベントで同社は、高速道路の渋滞時、時速50キロ以下で自動運転機能が起動できると説明。担当者は、「長距離運転の負荷を劇的に低減する」と強調していた。
昨年、日産自動車やBMWが国内投入した車種でも、高速道で特定の条件下でハンドルから手を離してリラックスできるが、スマホ操作などは認められていない。あくまでレベル2に対応した機能だからだ。