政府、2020年代半ばのIR開業方針変えず

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 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件で収賄罪で起訴された衆院議員の秋元司被告(自民を離党)が12日夜に保釈され、立憲民主党など主要野党は秋元司被告の証人喚問を求める方針だ。IRに対する風当たりは厳しくなりそうだが、政府は予定通り2020年代半ばのIR開業を断行する構えを崩していない。国内外から多くの集客が見込まれるIRは東京五輪後の景気を下支えし、地方創生の起爆剤として期待が高いためだ。(大島悠亮)

 「IR事業にさらに厳しい目が向けられるようになったのは事実だ」。IRに携わる政府関係者は昨年12月、IR担当の内閣府副大臣だった秋元被告の汚職事件を振り返り、肩を落とした。

 政府は当初、事件を「議員個人の問題」(菅義偉(すが・よしひで)官房長官)と意に介さない様子だった。副大臣は「大半が1年で交代する上、大臣に比べて権限も弱い」(官邸筋)ため秋元被告の影響力は限られていた。政府高官は「そもそも今の政権が中国企業の参入を認めるはずがない」と話す。

 だが、通常国会で主要野党が首相主催の「桜を見る会」とともにIRを政権批判の目玉として据えたのを受け、政府は方針を転換。1月中に決定する予定だった基本方針は「より丁寧に説明する必要がある」(高官)と判断し、今春に決定を先送りした。昨年7月に参院選への影響を考慮して公表時期を遅らせたのに続き、政治的理由で先送りを余儀なくされたのは2回目。しかも、足元では桜を見る会をめぐる公文書管理のあり方と合わせ、IRを主導する菅氏を野党がターゲットにしており、IRへの逆風は厳しさを増す。

 それでも政府が20年代半ばの開業にこだわるのは、IR事業を令和7(2025)年の大阪・関西万博とともに、東京五輪後の成長戦略の柱としたいからだ。IRはカジノ以外に国際会議場やホテル、ショッピング施設などが併設されることが想定され、建設費や民間投資を合わせ年間1兆円以上の経済波及効果が期待されている。政府は令和12(2030)年の外国人観光客6千万人の目標を掲げており、IRは目標達成に不可欠だ。

 政治的な思惑も透ける。安倍晋三首相と菅氏がIR開業に積極的な松井一郎大阪市長(大阪維新の会代表)や橋下徹元大阪府知事と良好な関係を維持するのは、IR誘致をてこに首相の宿願である憲法改正に向けて維新の協力を得たいためだ。政府の基本方針の提示が大きくずれ込めば工期の遅れに直結し、大阪経済に打撃となるだけに、IR開業の“御旗”を容易には降ろせない事情もある。

 政府は基本方針に事業者と政府や自治体関係者との接触ルールの厳格化などでIRへの不安を払拭し、国民の理解を得たい考えだ。だが、報道各社の世論調査では慎重な意見が目立つ上、北海道や千葉市などがIR誘致を見送り、機運もしぼむ。IR開業は大きな岐路に立たされている。

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