全国の警察が2019年、前方の車と距離を詰めすぎる「あおり運転」などによる道交法違反(車間距離不保持)で1万5065件(前年比2040件増)を摘発したことが13日、警察庁の集計で分かった。このうち高速道路が9割以上の1万3787件だった。
あおり運転は17年に神奈川県の東名高速道路で、無理やり停止させられた車の夫婦にトラックが追突し死亡した事故を機に社会問題化した。警察庁は厳罰化に向けて道交法にあおり運転を新たに定義し、違反1回で即免許取り消しのほか、懲役刑を設ける改正案を今国会に提出する予定だ。
警察庁によると、あおり運転に対し自動車運転処罰法の危険運転致死傷罪(妨害目的)を適用したケースは33件(前年比8件増)。刑法適用は44件(同15件増)で、内訳は「暴行」が34件、「傷害」が7件、「威力業務妨害」が2件、「強要」が1件だった。