進む鉄道の自動運転 JR各社が相次ぎ試験、人手不足背景



自動運転の走行試験が行われているJR大阪環状線
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 自動車だけでなく、鉄道にも-。鉄道会社の自動運転の導入に向けた動きが加速している。これまでは、人が立ち入れない高架の新交通システムでのみ行われていたが、近年はJR各社が相次いで自動運転の走行試験を実施。国土交通省も実用化に向け、国を挙げて技術向上を図る。少子高齢化が進む中、鉄道会社でも人手不足が深刻化しており、自動運転によって補う狙いだ。(江森梓)

 大阪市中心部を周回するJR西日本の大阪環状線。JR西は今月から、同線で終電後に自動運転による電車の走行試験を始めた。1編成の電車に、速度を自動調節する装置を設置して実施。運転士は運転席に座るが操作せず、走行状況を見守るだけだ。将来的に運転士の資格を持たない係員が運転席に乗り、列車を継続的に運行できる態勢を目指す予定だ。

 自動運転に向けた取り組みはほかのJR各社でも進む。JR東日本はいち早く平成30年12月~31年1月に都心部の大動脈、山手線で走行試験を実施。JR九州も昨年12月~今月に福岡市東区の香椎(かしい)線で走行試験を行っている。

 国交省によると、大阪メトロの「ニュートラム」や神戸新交通の「ポートライナー」、東京臨海新交通臨海線「ゆりかもめ」など7事業者8路線ですでに無人の自動運転を実施している。いずれも高架で、駅にはホームドアがあるなど線路内に容易に人が立ち入ることができない構造だが、踏切のある一般的な路線では安全面に課題があるとして導入されていなかった。


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 一方で、各鉄道会社では人手不足が問題となっている。国交省鉄道統計年報によると、JR7社の運転士など現場の社員数は20年度に9万3891人だったが、28年度には8万5956人に減少した。55歳以上が多くを占めており、今後は大量退職が進んでさらに人手不足が深刻化する見通しだ。

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