カンボジア政府は14日、南部シアヌークビルに入港した香港発のクルーズ船「ウエステルダム」の乗客について、早期下船のための調整を続けた。体調不良を訴えた一部乗客は新型コロナウイルス感染の検査で陰性となり、地元当局者は14日中にも下船を始められるとの見通しを示した。
米シアトルに拠点を置く運航会社「ホーランドアメリカライン」は米西部時間13日、カンボジア当局から現地の14日朝に下船を開始することが許可されたと発表した。乗客はチャーター機で首都プノンペンに移動するなどし、それぞれ帰国の途に就く予定。
ウエステルダムは乗客乗員約2300人で、乗客4人と乗員1人が日本人。1日に香港を出発し日本で旅程を終える予定だったが、日本政府は肺炎を発症した恐れのある人が確認されたとして香港に戻るよう要請。フィリピンや米領グアムも入港を拒んだ。乗客を下船させるために向かったタイも「許可しない」と表明。隣国のカンボジアが人道的観点から受け入れた。
(共同)