西村康稔経済再生担当相は17日、東京都内でタイのソムキット副首相と会談した。タイは環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への加盟に意欲を示しているが、会談後に記者会見した西村氏によると、ソムキット氏はタイが4月にもTPPに加盟申請する方針を決定できるよう調整を進めていると説明。西村氏は、8月ごろにメキシコで開かれるTPP加盟国の閣僚級会合でタイとの加盟交渉の開始を決めたいと述べた。
西村氏によると、ソムキット氏はタイのTPP加盟について「全体としてメリットが大きい」と語った。西村氏は「日本としても引き続き全面的に支援する」と応え、両国は緊密に連携していくことで一致した。
タイには日本からも自動車関連企業などが数多く進出。西村氏はタイについて「日本にとって重要な貿易相手国」とした上で、タイがTPPに加盟すれば「サプライチェーン(調達・供給網)がより多様、強固、重層なものになり、日本の産業界にとって大きなメリットがある」と指摘した。
TPPは2018年12月に日本、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、メキシコ、シンガポールで発効。ベトナムも19年1月に加わったが、チリ、ペルー、ブルネイ、マレーシアの4カ国はまだ国内手続きが終わっていない。
TPPをめぐってはタイのほか、欧州連合(EU)から1月末に離脱した英国も関心を表明している。西村氏は「(加盟国を)広げていく努力は引き続き進めていきたい」と述べた。