栃木労働局は、今年3月に卒業予定の学生の就職内定状況(昨年12月末時点)を発表した。高校新卒者は前年同期を0・1ポイント上回る92・8%。高卒の求人倍率は3年連続で2倍を超えており、同時期の内定率は5年連続で90%を上回る高水準となった。
同労働局の浅野浩美局長は「大学新卒者の採用が難しくなり、高卒者の採用ニーズが高まっている」と指摘。人手不足の解消を目指す企業が人材獲得につなげるため、中高生を職場見学に招く例ももあるという。
今回の集計によると、高卒の求職者数は3814人で前年より1・5%少なく、求人数は8536人で1・9%多い。求人倍率は前年より0・08ポイント高い2・24倍となり、平成23年3月卒の求人から10年連続で上昇した。
求人数はリーマン・ショック後の22年3月卒で激減したが、その後は右肩上がりをたどって10年で3倍弱まで増加。しかし求職者数は3300~3800人台で大きく変動しておらず、「売り手市場」の色彩が年々強まっている状況だ。
高校生の新卒採用活動は昨年9月16日に始まった。産業別の求人数を多い順にみると、製造(3285人)▽建設(1208人)▽卸売・小売(1027人)▽医療・福祉(873人)-などとなっている。
一方、昨年12月末時点の大学新卒者の内定率は82%で前年同期を0・4ポイント下回り、短大新卒者は81%で3・6ポイント上回った。