中国、医療従事者の士気維持に躍起 殉職者は「烈士」認定

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新型肺炎の患者の診療に備える中国・武漢の医師=16日(AP)
新型肺炎の患者の診療に備える中国・武漢の医師=16日(AP)

 【北京=西見由章】新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国で、医療従事者への院内感染が深刻な問題となっている。疑い例も含めると感染者は3千人を超え、湖北省武漢の病院長が死亡するなど死者は少なくとも7人に上る。士気低下を懸念する中国政府はさまざまな支援策を打ち出すが、習近平国家主席が「感染との戦いの中心となる力」と位置付ける医療従事者は今後も多くの犠牲を強いられそうだ。

 18日に死去したのは武漢市武昌病院の劉智明院長(51)。武昌病院は1月20日、新型肺炎患者の受け入れ先として最初に指定された病院の一つで、劉院長は第一線で指揮をとっていた。新型肺炎の感染で病院長が死亡したのは初のケースという。

 中国メディアによると、劉院長は1月下旬に感染。入院して治療を受けていたが今月17日に病状が悪化した。2013年に市武昌区政府から「英才」の称号を受けるなど、その見識や人柄が高く評価されていた。

 国家衛生健康委員会は12日までに医療関係者1716人が感染したと公表している。一方、中国疾病予防コントロールセンターによると、疑い例も含めると患者は3019人に達する。比較的重症な感染者のうち武漢の医療関係者が64%を占めており、防護服やマスクの不足といった劣悪な医療環境が大規模な院内感染を招いたとみられる。

 また同委は19日、新型コロナウイルスの感染ルートとして、霧状に浮遊する粒子に混じったウイルスを吸引する「エアロゾル感染」の可能性を指摘した。同センターによると「気管チューブの操作中」など臨床現場で起こる可能性があるとされ、一部の病院内でエアロゾル感染が広がった可能性も否定できない。

 中国政府は厳しい環境に置かれている医療従事者たちの士気を保つのに躍起だ。医療・防疫業務に従事して殉職した職員は「烈士」に認定して報奨金や遺族への補償金を支払う方針を決定。また湖北省は今年行われる高校受験で、医療従事者の子弟に点数を10点加算すると発表するなど、家族へのさまざまな優遇策も打ち出されている。

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