新型コロナウイルスの感染拡大で自動車産業への影響が懸念される中、2つの業界団体と経済産業省は20日、情報を共有したり対策を検討したりする協議会を設置した。中国当局の関係者との情報交換など、自動車メーカーがそれぞれ行うには限界がある課題に対応する。月内にも初会合を開き、新型肺炎による影響の長期化や深刻化に備える。
設置したのは、「新型コロナウイルス対策検討自動車協議会」で、参加する業界団体は日本自動車工業会(会長・豊田章男トヨタ自動車社長)と、日本自動車部品工業会(会長・岡野教忠リケン名誉会長)。両工業会の調達関連の担当者がメンバーとなる見通しだ。
サプライチェーン(部品などの供給網)や物流、防疫対策といった課題を共有するほか、影響が長期化した場合の資金繰り対策や政策支援などの検討も行うという。経産省幹部は、「(新型肺炎が)自動車業界にどのくらいの期間、深さで影響していくか見通しが立ちにくい。影響が大きくなったときに後手に回らないように、対応に万全を期す」と説明した。