中国・刑務所で集団感染500人超 新型肺炎 省幹部ら処分


 【北京=西見由章】新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国で、刑務所内での集団感染が相次いで発覚した。中国政府によると、21日までに全国の刑務所4カ所で計505人の感染が確認された。密閉された空間に多数の人員を収容者する矯正施設の感染リスクが浮き彫りとなった形だ。

 山東省済寧(さいねい)市の刑務所では受刑者や刑務官ら計207人が感染し、省幹部と現場責任者の計8人が免職処分を受けた。

 山東省当局の発表によると、省内で20日に確認された感染者は202人で、このうち200人が任城刑務所の受刑者だった。このほか同日までに刑務官7人の感染が確認されたという。

 同省はこの事態を受けて医師らで構成する専門家チームを発足。済寧市内の病院などを感染者の収容病院に指定し、省・市職員ら200人超を専従職員として対応にあたっている。

 任城刑務所の受刑者や職員らは計2000人超で、関係者の10分の1が感染しており、今後も感染者は増える可能性がある。

 今月12日に刑務官1人にせきの症状が出て、翌13日のウイルス検査で感染が確認された。感染予防対策が不十分だったなどとして山東省司法局長や任城刑務所長ら8人が21日までに免職処分を受けた。

 一方、浙江省当局の発表によると、同省の十里豊刑務所では21日までに受刑者ら34人が新型肺炎に感染した。同刑務所の刑務官1人が1月中旬、感染拡大の中心地となっている湖北省武漢の家族を訪れ、その後、当局から検査を求められた25日まで通常通り勤務していたという。

 このほか、武漢女子刑務所では230人の感染が確認された。



Source link