ムバラク元エジプト大統領が死去 91歳、独裁30年

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ムバラク大統領の肖像画をかかげる支持者=カイロ(ロイター)

ムバラク大統領の肖像画をかかげる支持者=カイロ(ロイター)

 【カイロ=佐藤貴生】ロイター通信は25日、エジプト国営メディアの情報として、エジプトで約30年にわたって独裁体制を敷いたホスニ・ムバラク元大統領が死去したと伝えた。91歳だった。死因などは不明。

 ムバラク氏は1981年に暗殺されたサダト大統領の後を継いで大統領に就任。中東・アフリカで民主化要求デモが広がった「アラブの春」の影響を受け、エジプトでも反政府デモが拡大し、2011年2月に辞任した。

 その後、デモ隊殺害に関与した罪で終身刑を言い渡され、数年間にわたり投獄されたが、やり直しの裁判で無罪が確定した。最近は療養生活を送っていた。

 1928年、北部メヌフィヤ県生まれ。空軍士官学校卒。73年の第4次中東戦争の緒戦では空軍司令官として、エジプトを“電撃的勝利”に導き、功績がサダト氏に認められ、副大統領に就任した。

 エジプトは穏健アラブ諸国の「盟主」とされ、ムバラク氏は大統領在任中、外交面で親米・親イスラエル路線を堅持。パレスチナ和平仲介にも関与し、中東における米国の「代理人」ともいえる存在だった。

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