【教育はいま】大阪大、企業と連携し理系女性リーダー育成へ





大阪大とダイキン工業が合同で行ったリーダーシップ研修。学生と社員が活発に議論した=大阪府吹田市の大阪大吹田キャンパス

 大阪大は来年度から、企業と連携して理系の女性リーダーを育成する新しい取り組みを始める。大学の女性研究者は少数のため、目標となるロールモデルに出会えず将来像が描きにくいといった課題を、企業で活躍する女性技術者らと交流することで解消していく。企業側にとっても、大阪大の教授陣のもとで女性社員がリーダーシップ論や技術経営などを学ぶことで、キャリアアップにつながるというメリットもある。

 2月上旬、大阪府吹田市の大阪大吹田キャンパス。女子大学院生と空調大手、ダイキン工業の若手女性社員の計約30人が、4~5人ずつに分かれてリーダーシップのあり方などを話し合った。

 工学研究科1年の久松美佑(みう)さん(23)は「リーダーシップを意識したのは初めて。ダイキン工業の社員と交流できてよかった」と笑顔で話した。同社堺製作所の上垣久美子さん(29)は「意識や考え方が違う学生と議論し、刺激を受けた」と手応えを語った。

 来年度からは、他の5社も加わり、大阪大とともに理系の女性リーダーを育成するプログラムを本格的にスタートする。女子大学院生と企業との交流会や、育児休業中の社員が大阪大で学んでキャリアアップするプログラムのほか、女性研究者を対象としたセミナーやシンポジウムも予定している。

 大阪大の工藤真由美副学長は「産学協同研究は珍しくないが、大学と企業が連携して女性リーダーを育成する取り組みとしては全国のさきがけ。企業とともに関西全体の向上をめざしたい」と強調。ダイキン工業人事本部は「世界トップクラスの大阪大の教授陣に学べる機会は貴重で、社員が幅広い知識とスキルを身につけられる」とする。

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