【コロンビア(米サウスカロライナ州)=大内清】11月の米大統領選に向けた民主党候補指名争いの第4戦となる南部サウスカロライナ州予備選の投開票が2月29日に行われ、中道穏健派のバイデン前副大統領(77)が2位以下に大差をつけ首位を確実にした。米主要メディアが伝えた。
バイデン氏は緒戦で出遅れていたが、黒人比率の高い南部で1勝を挙げたことで、14州などの予備選・党員集会が集中する3日の「スーパーチューズデー」へ弾みをつけた格好だ。
米CNNによれば、開票率93%でバイデン氏は48・9%の票を獲得。第2戦のニューハンプシャー州、第3戦のネバダ州で連勝し全国の平均支持率でもトップを走る急進左派のサンダース上院議員(78)は19・8%で2位となった。
バイデン氏は29日夜、サウスカロライナ州の州都コロンビアでの集会で「トランプ大統領を倒すための道を開いた。(スーパーチューズデーでの)巻き返しへ大きな勝利だ」と強調。民主社会主義者を自認するサンダース氏を念頭に「ほとんどの米国人は革命の約束など求めていない」と述べ、自身の穏健な政治姿勢をアピールした。
一方、初戦のアイオワ州でサンダース氏とほぼ同率の首位だった中道穏健派のブティジェッジ前サウスベンド市長(38)や左派のウォーレン上院議員(70)の得票率は10%に満たない見込み。米メディアは、今回の結果を受け、実業家のトム・スタイヤー氏(62)が指名争いからの撤退を決めたと伝えた。