【アメリカを読む】米当局、ファーウェイに“犯罪集団”の烙印 異例追起訴に徹底抗戦、弁護団に大物ヤメ検も





米司法省のバー長官は中国通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」を厳しく取り締まる方針を示す=2月6日、ワシントン市内(AP)

 米司法当局が、米国企業の知的財産を窃取したなどとして、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を追起訴した。司法省は、知財を盗み出した社員への報奨制度を同社が設けていたと主張し、通例はマフィアなどの組織犯罪を取り締まる「RICO法」を適用した。“犯罪集団”の烙印(らくいん)を押された形となるファーウェイは起訴事実を全面的に否定。司法省の大物OBを弁護チームに招聘(しょうへい)するなど徹底抗戦の構えだ。(ワシントン 塩原永久)

さまざまな「手口」

 「極めて異例だ」

 米司法省が2月13日、ファーウェイが検察当局に追起訴されたことを発表すると、刑事司法の専門家から驚きの声が出た。同省が従来、マフィアやギャングなどの犯罪集団を一網打尽にする狙いの通称「RICO法(米国組織犯罪規制法)」を適用したためだ。

 起訴状によるとファーウェイは、米企業から通信機器のルーターに用いられるソフトウエアのプログラムなどを窃取。ライバルから知財を盗むことに成功した社員にボーナスを出す報奨制度を設けるなどし、米国の計6社から企業秘密を不正入手した。

 RICO法では、検察当局が「組織全体の犯罪性」(法学部教授)を立証する必要がある。企業秘密を不正入手する上での組織的な関与を証明しなければならず、有罪を勝ち取るハードルは決して低くないと指摘されている。

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