2月の国内新車販売台数は前年同月比10・3%減の43万185台で、5カ月連続減だったことが2日、日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)のまとめで分かった。2月は人気小型車の新型投入が相次ぐなどプラス要因はあったが、消費税率増や台風被害からの回復が期待された途上で新型コロナウイルスの問題が発生。販売関係者は「複合的要因で消費者に先行き不安があるのではないか」と、低迷長期化を懸念している。
「何が影響しているのか判断しかねる状況」。消費税率がアップした昨年10月以来、毎月10%超の減が続くなか、販売関係者の担当者は悩む。「消費税の影響はもう少し長い目で…と考えていたうちに、さまざまなことが起きている」というわけだ。
自動車は一般的に、受注から納品まで1カ月単位でかかる。このためウイルス拡大の国内販売台数への影響はまだ薄いが「一部販売店で来客が減っているとの声が2月中旬から出た」(販売関係者)。中国からの部品供給懸念から生産調整を始めたメーカーもあり、車種によっては納期遅れが出ているのも確かだ。
2月は10日以降、「ヴィッツ」から改名したトヨタ「ヤリス」、ホンダ「フィット」の発売があった。自販連は「販売にブレーキはかかっていないが販売日数が少なかった」と語り、3月の伸びに期待を寄せる。メーカー別では、軽自動車で日産自動車が4カ月連続増、ホンダが5カ月ぶり増など好材料もなくはない。ウイルス対策で販売店は「試乗車のハンドルなどを常に除菌スプレーで拭くのはもちろん、点検・整備時の除菌サービスも行っている」(大手販売会社)と安心感醸成に力を入れている。
だが3月は、在宅勤務が広がり、イベント自粛も相次ぐ見込み。下押し圧力が本格化する懸念もある。(今村義丈)