河井案里参院議員の陣営による参院選での違法報酬支払い疑惑は昨年10月に報じられ、広島地検は今年1月15日、強制捜査に踏み切った。通常国会が始まる直前のタイミングで国会運営に配慮した形は取ったが、家宅捜索は徹底し、夫の克行衆院議員の実家にまで及んだ。東京地検、大阪地検の各特捜部などからの応援で態勢を拡充。捜査方針は最高検に随時報告していたもようだ。
広島地検が広島市にある夫妻の地元事務所を捜索したのは、通常国会が召集される直前。夫妻宅、車上運動員宅、運動員を案里氏に紹介した広島県議宅なども対象にした。関係者によると、普段は人の出入りがない物置のような場所にも入ったといい、選挙関連の資料がないか疑い、念には念を入れたとみられる。
任意聴取は連日続き、夫妻の秘書だけではなく、選挙に関わった学生らも呼び出された。スマートフォンの機能を使って行動履歴を確認され、関係先での滞在時間を示された人もいた。