【主張】北朝鮮の挑発 変わらぬ脅威を警戒せよ

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 北朝鮮が日本海に向け短距離弾道ミサイル2発を発射した。ミサイル発射は昨年11月以来で、軍事挑発を本格的に再開した可能性がある。

 弾道ミサイル発射は、国連安全保障理事会の決議違反だ。日本や米国、国際社会は新型ウイルスの感染拡大阻止という切迫した課題に直面していても、看過してはならない。

 北朝鮮の核・弾道ミサイル開発が日本はもちろん、世界の平和と安全に対する重大な脅威であることに変わりはないからである。

 安保理が緊急会合を開き、欧州5カ国のみが非難声明を出したが、米国を含む15カ国が一致して強い態度を示すべきだった。

 北朝鮮をめぐる状況は、米朝首脳が2度接触した昨年とは、全く違うと認識する必要がある。

 米朝交渉は膠着(こうちゃく)し、北朝鮮は一時的に中断していた核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射再開を示唆している。

 もはや金正恩朝鮮労働党委員長に甘い顔を見せるわけにはいかない。強い圧力で急ぎ、非核化へと突き動かすべきときだ。

 だが、トランプ米大統領は大統領選に傾注し、一般教書演説でも北朝鮮の核問題に言及しないなど、熱意が感じられない。

 より大きな懸念は、韓国の文在寅政権の融和路線への執着である。南北経済協力をなお模索し、制裁の徹底を求める日米との足並みを乱している。

 文氏は先の「三・一独立運動」の式典演説を含め一貫して、南北交流再開に意欲を示すが、北朝鮮の反応ですら冷ややかだ。このままの融和路線継続で本当によいのか、冷静に考えてもらいたい。

 加えて警戒すべきは、新型ウイルスの感染拡大を受けた北朝鮮の国内状況の変化だ。貿易の大半を依存する中国との国境を実質的に封鎖しており、経済的な苦境と国内の動揺は想像に難くない。

 中国はじめ近隣各国が大きな打撃を被る中、金正恩体制のみが無傷ではいられない。むしろ、最ももろい存在といえるだろう。

 経済的に行き詰まり、北朝鮮が米国との交渉や南北交流に活路を見いだそうとするかもしれない。だが、国内を引き締めるため軍事挑発をエスカレートさせ、暴走する可能性も否定できない。

 日本政府は、米韓と緊密に意思疎通し、いかなる事態にも対処できるよう備える必要がある。

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