トヨタ自動車は令和2年春闘交渉で11日、労働組合側に、ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善を一般組合員に対しては見送ると回答した。トヨタのベアゼロは7年ぶり。定期昇給などを含む賃上げ総額としては、全組合員1人平均で8600円と回答した。
組合側は、ベアや定昇などを含めた総額で1万100円を要求していた。
年間一時金(ボーナス)は、要求通り6・5カ月分の満額回答だった。
豊田章男社長は11日の労使協議で「これからの競争の厳しさを考えれば、すでに高い水準にある賃金をこのまま上げ続けることは競争力を失うことになる」と述べた。
トヨタは賃上げのうちベア相当額について、一昨年以降は会社回答で公表を見送り、昨年は組合も要求段階から明示しなかったが、ゼロ回答とはしていなかった。