関西電力役員らの金品受領問題を精査する第三者委員会(委員長・但木敬一元検事総長)は14日、福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から75人が金品を受領し、総額は計約3億6千万円相当に上ったとする調査結果をまとめ、関電に報告書を提出した。また森山氏からの金品提供は、同氏と関係が深い会社に「工事を発注させ、経済的利益を得る構造、仕組みを維持することが目的だった」と認定した。
また関電の工事発注についても、同氏に対し、個別の工事や発注予定額に見合う工事を発注することを約束し、その約束に従って実際に発注を行っている場合もあったと指摘した。
第三者委は午後2時からが大阪市内で記者会見し、経緯を説明する。関電の岩根茂樹社長は同日付で退任し、後任には森本孝副社長が昇格する。
問題発覚後の平成30年に実施した社内調査は、八木誠前会長ら20人が約3億2千万円相当を受領したと指摘。第三者委は調査対象を関電幹部や一般社員、OBなどにも広げ、受領人数と総額が社内調査よりも膨らんだ。
八木氏らは昨年10月に引責辞任。新たに受領が判明した関係者についても、関電が処分を発表する可能性がある。
第三者委は昨年12月の記者会見で、計700人超に聞き取りや書面調査を実施したと説明。また関係者のパソコンのメールなどの記録を復元する「デジタルフォレンジック」(電子鑑識)の技術も利用し、調査を進めていると明らかにしていた。
関電は当初、第三者委に昨年末までの報告を求めていたが、但木氏は「奥深い問題が出てきた」などとして、年明け以降も調査を続けてきた。