【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮が21日朝に発射した短距離弾道ミサイルとみられる2発の飛翔(ひしょう)体が、落下後に低空飛行し、再び急上昇するプルアップと呼ばれる特異な軌道を描いていたことが、韓国軍当局の分析で分かった。
韓国軍当局は、北朝鮮が昨年8月に試射した新型戦術地対地ミサイルなどの可能性があるとみて、さらに詳しい解析を進めている。
この軌道のミサイルは迎撃が難しい。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米韓軍が春の合同軍事演習を見送る中、在韓米軍への脅威は一層高まっている。
北朝鮮は21日午前6時45分ごろと同50分ごろ(日本時間同)、北西部の平安北道(ピョンアンプクト)宣川(ソンチョン)付近から北東方向の日本海に向けて飛翔体2発を発射した。日韓両防衛当局は、短距離弾道ミサイルとの分析を明らかにした。韓国軍によると、ミサイルは約410キロ飛行し、最高高度は約50キロに達した。
日本政府は日本の排他的経済水域(EEZ)の外に落下したとの見方を示した。北朝鮮によるミサイル発射は今年3回目で、3週連続。