大阪市の監査部門の複数の職員に対し、暴言などのパワーハラスメント行為をしたとして、市公正職務審査委員会は24日、市の貴納(きのう)順二代表監査委員(75)に言動を改めるよう求めたほか、市に対してパワハラ防止措置を講じ、職場環境を改善するよう勧告した。貴納氏は勧告を受けて、同日付で辞職した。
委員会は弁護士らで構成され、公益通報や内部告発の調査・審査を行っている。貴納氏は、プリマハム元社長で平成26年5月から代表監査委員を務めていた。昨年9月、委員会に公益通報があり職員らに調査を実施。30年以降、貴納氏によるパワハラ行為があったと認定した。
うち、時期と場所が特定できたのは9件で、「職員の分際でわしの言うことが聞けんのか」(30年1月)、「役立たず」(昨年7月)といった発言など。時期は特定できなかったが、「金魚のフンみたいに座っているだけ」「こんな仕事なんか、女の子にさせりゃええんだよ」といった発言もパワハラと認定された。
貴納氏は業務上の指導で必要性があったと説明していた。委員会によると、貴納氏の言動により職員1人が突発性難聴を発症した。