新宿区職員を停職処分 行旅死亡人の遺品持ち帰り


 東京都新宿区生活福祉課に勤務していた男性主査(40)が、住所や氏名が不明で親族などの引き取り手もいない「行旅(こうりょ)死亡人」の遺品を無断で自宅に持ち帰るなどしていた問題で、同区は27日、主査を停職6月の懲戒処分にしたと発表した。主査は同日付で依願退職した。同区から相談を受けている警視庁は、業務上横領容疑などを視野に実態の裏付けを進めている。

 同区によると、男性主査は平成29年5月、行旅死亡人の親族から事務処理のお礼と称して送られてきた金券を受け取ったほか、30年6~7月には庁内に保管していた別の行旅死亡人の衣類や腕時計などの遺品を許可なく自宅へ持ち出した。

 昨年夏ごろ、別の職員の指摘で発覚。同区によると男性主査は調査に対し、金券の受け取りは認めたが「金額は記憶にない」と答え、使用したかについてはあいまいな回答だったという。遺品持ち出しについては、業務過多で処分が追い付かず、隠そうとしたと説明したという。

 吉住健一区長は「信頼を大きく損なう行為。再発防止に全力で取り組む」などとコメントした。



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