日本郵便東北支社は10日、全国の郵便局で唯一、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が確認され、業務休止になった福島県の二本松郵便局(二本松市)で、約31000の郵便物やゆうパックが、配達されずに取り置かれていると発表した。
同郵便局では、7日に初めて局員の感染が確認されたため、急遽(きゅうきょ)全ての業務を休止。全員を自宅待機にしており、再開の見通しは立っていない。そのため、7日午後配達分の郵便物とゆうパックなどが局内に保管されたままに。8日以降配達分の郵便物などは、近隣の郵便局などに取り置かれているという。
同支社によると、重要度が高い郵便物も配達されておらず、その数は書留115通、簡易書留と特定記録が720通、速達が351通。また、ゆうパックも1176個が未配達で、中には保冷が必要な品物を運ぶチルドゆうパックも含まれている。
重要な郵便物については、問い合わせが入った分については、二本松郵便局内の消毒が終わった9日以降、近隣の郵便局員などが建物内に入り、引き取りに来た利用者に手渡しするなどの対応を取っている。
しかし、配達の早期再開について同支社では「地域に精通した局員でないと難しい」(古屋正昭支社長)といい、保健所の指導を受け、自宅待機の局員が復帰するのを待って再開したい考えだ。ただ、書留などの重要郵便物については「対応を検討したい」(古屋支社長)としている。
二本松郵便局では、9日までに7人の新型コロナウイルスの感染が確認されている。