広島県尾道市を舞台にした青春映画で知られる映画監督の大林宣彦さんが10日、82歳で亡くなった。映像作家で早稲田大名誉教授の安藤紘平さんは以下のように話した。
「大林監督の作品は『HOUSE』から“尾道3部作”を経て晩年の反戦映画に結実するが、青春映画にも厭戦(えんせん)的な感覚は常に漂っていた。晩年は『これまで語ってきたことをもう少しはっきり言っておかないとな』という感覚だったのではないか。遺作『海辺の映画館 キネマの玉手箱』ではさらに踏み込み、観客に『この後はあなたたちに委ねたよ』と語り掛けている。空から降りてきていろんなものを見せてくれる、映画の神様のような人だった」