沖縄県の玉城デニー知事は17日午前、菅義偉官房長官に電話し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設先である名護市辺野古での工事に従事する関係者が新型コロナウイルスに感染したことが確認されたことを受け、工事の中止を求めた。玉城氏によると、菅氏は「その件については現状を確認する」と答えたという。県庁内で記者団の質問に答えた。
玉城氏は「先般、謝花喜一郎副知事から防衛省事務次官に、コロナウイルスが蔓延(まんえん)している状況では現場における混乱も想定されるので、工事を中止してほしいと電話で要請していたが、それ以降返事がなく、現場ではついに陽性の方が出た」と説明。その上で「今朝、菅官房長官に私から直接電話をさせていただき、辺野古の工事の中止を改めて求めた」と語った。
防衛省沖縄防衛局によると、辺野古の工事関係者に感染が確認されたと連絡があったのは16日。この関係者は、陽性反応が判明した知人と勤務外で行動を共にしていたという。濃厚接触の可能性がある職場の同僚らに関しては自宅待機としており、沖縄防衛局は状況を確認するため17日の工事は中止するとしている。
辺野古周辺のコロナウイルス対策をめぐり、玉城氏は10日の記者会見で、移設反対派が行っているデモ活動について「県民それぞれに判断し、賢明な行動をとっていただきたい」と述べたが、デモの可否については言及を避けていた。