証券取引等監視委員会は17日、相場操縦をして株取引が盛んなように見せ掛けたとして、金融商品取引法違反の疑いで、島根県に住む70代の会社役員の男性に課徴金3億3475万円を納付させるよう金融庁に勧告した。相場操縦での個人に対する課徴金では過去最高額という。
監視委によると、男性は平成30年5月16日~6月5日、同一人物が売りと買いの注文を同時に出す「仮装売買」を27回繰り返し、ジャスダックに上場していた東京の建設会社「三信建設工業」(30年9月に上場廃止)の取引が活発なように見せ掛けた。
監視委は、同社の株式公開買い付け(TOB)情報を基にインサイダー取引をした金商法違反容疑でも、男性に課徴金70万円を納付させるよう金融庁に勧告した。
男性はTOBの交渉に関わっており、三信建設工業が30年6月にTOBを公表する前に、5千株を買い付けたという。