【ロンドン=板東和正】英議会下院(定数650)は21日、テレビ会議形式の審議の導入を全会一致で決めた。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、議員の感染を防ぐのが狙い。22日の審議から導入される見通しで、約700年の歴史を持つ英国議会で初の試みとなる。
22日から、実際に本会議場に入る議員と、議場外からビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使って参加する議員による審議を週3日実施する予定。議場への出席は閣僚ら最大50人に制限し、人と人の距離を保つ「社会的距離(ソーシャルディスタンス)」を維持できるようにする。
議場に入らない議員は最大120人が、Zoomで自宅から参加し、質問もできる仕組み。残りの議員の参加方法は明らかになっていない。議員からは、全議員が議場外から参加できる仕組みが必要との声もあがっている。
一方、自宅から参加する議員は議場に入るときと同様にフォーマルな服装であることが求められているという。英BBC放送は「(テレビ会議形式の審議中に)自宅からパジャマで参加する議員を垣間見ることはない」と予想している。