首相、10万円給付「5月早期に」 補正予算案審議入り





参院本会議で令和2年度補正予算案が審議入りし答弁を行う安倍晋三首相=27日午後、国会(春名中撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大に対応する令和2年度補正予算案が27日、国会で審議入りした。安倍晋三首相は、国民1人当たり10万円の現金給付について「(自治体に)5月中のできるだけ早い時期に給付を開始してもらうよう準備を進めている」と述べた。治療薬候補の「レムデシビル」の薬事承認が間もなく可能となるとも述べた。海外での承認などを条件に審査の手続きを簡略化する「特例承認」で5月にも利用可能となる見通しだ。

 衆参両院の本会議で麻生太郎財務相による財政演説の後、各党代表質問が行われた。首相は現金給付をめぐり補正予算案を組み替えたことなどに関し「混乱を招いたことは私自身の責任であり、国民に心からおわびしたい」と陳謝した。

 首相は「爆発的な感染拡大には至っていないが、地方への感染拡大が見られており、長期戦を覚悟する必要がある」と強調。5月6日が期限の緊急事態宣言の扱いは「専門家の提言もいただきながら判断したい」と述べた。海や山への人出を制限するため国道の規制などを求める声があるが、首相は「私権制限の立法措置は必要な場合は検討されるべきだ」としつつ、「行楽地への移動は相当程度減少している」と語った。

 レムデシビルについては「間もなく薬事承認が可能となる」と明言した。レムデシビルは米製薬会社がエボラ出血熱の治療目的で開発。日本の研究機関も参加した臨床研究で、投与された重症患者53人の7割近くで症状の改善があったが、4分の1に腎機能低下などの重い副作用が報告された。

 歳出総額25兆6914億円の補正予算案は10万円給付の費用などを計上。27日には衆院予算委員会で趣旨説明を行った。与野党は30日に成立させる日程で合意している。



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