ボーイング、人員10%削減へ 「二重苦」で経営危機深まる

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 【ワシントン=塩原永久】米航空機大手ボーイングの苦境が深まっている。墜落事故を起こした主力旅客機「737MAX」の生産停止に加え、新型コロナウイルスの感染拡大で航空機需要の減少が見込まれるためだ。同社は29日、人員の10%削減や旅客機の追加減産を発表したが、資金調達という目前の危機をしのぐのに精いっぱいで、難局脱却の光明はみえない。

 「予想される需要減を踏まえると、現在の人員の規模は維持できない」

 カルフーン最高経営責任者(CEO)は29日、約16万人いる人員の1割を年内に削減する判断に至った苦渋の理由を、そう述べた。

 2度の墜落事故を起こした737MAXは年始から生産停止しているが、人員面のコスト削減は避けてきたという。だが、新型コロナ感染防止の外出制限が広がり、米国で航空利用客は前年比9割減少。人員削減に加え、日本企業も部品を供給する中型旅客機「787」を現在の月産14機から半減させることを決めた。

 ボーイングが29日発表した2020年1~3月期決算は、最終赤字が6億4100万ドル(約680億円)と2四半期連続で損失を計上した。737MAX問題と新型コロナの「二重苦」で収益が急速に悪化。主力機の生産停止が下請け企業にも波及しており、ボーイングは、下請けや関連企業の支援も含めた必要資金の調達に追われている。

 同社に部品を納入する企業は約1万7千社あり、約250万人の雇用が支えされているという。サプライチェーン(部品の調達・供給網)を維持するのに必要となる資金も多額となり、同社は米政府に600億ドル規模の支援を要請した。

 市場では一時、ボーイングの前途に、金融危機「リーマン・ショック」後の米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)のような経営破綻を想定する向きもあった。だが、米政府は「ボーイングに『何か』は起きない」(トランプ大統領)と全面支援の構えだ。

 一方、ボーイングは支援策の条件面で米政府との間に溝があるとされ、投資家は政府や金融機関によるボーイング支援策の行方に注目している。カルフーン氏は「当面の流動性の確保に集中している」と話し、自社と関連企業の手元資金拡充を急ぐ方針だ。下請けで破綻が起きても生産計画に狂いが生じかねず、ボーイング支援策は「時間との闘い」の様相を呈している。

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