イタリア国家統計局は4日、同国で新型コロナウイルスの感染が急拡大した2月下旬から3月末までの死者が約9万1千人に上り、過去5年の同時期平均より約2万5千人多かったと発表した。4割近い増加だった。統計局によると3月末までの新型コロナ感染症の死者は約1万3千人。集計されなかった感染死者が多数に上る可能性が高い。
過去平均を上回った「超過死者」の全てが感染者だったとは限らないが、イタリアでは感染疑いがあるのにウイルス検査を受けられないまま自宅や介護施設で亡くなったケースが相当数あるとみられている。
一方、コリエレ・デラ・セラ紙は甚大な被害が出た北部ベルガモ県で実施された感染歴を調べるための抗体検査1054件のうち62%に当たる652件が陽性だったと報じた。県の人口約112万人に当てはめると約70万人が感染している計算となる。5月4日までにウイルス検査で確認された同県の感染者は約1万2千人だった。
イタリア政府は4日、新型コロナに感染した死者は前日から195人増え2万9079人になったと発表した。(共同)