安倍晋三首相は7日、産経新聞の単独インタビューに応じ、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための緊急事態宣言について、14日に行う感染者数の動向といった専門家の分析を踏まえ、一定の基準を満たせば31日の期限よりも前に都道府県ごとに段階的に解除する意向を示した。「14日の段階で解除になれば、どういう基準で解除したかを国民に丁寧に説明したい。14日に解除にならなくても31日は待たない」と述べた。
首相は解除の基準について、感染者数や退院者数の動向、感染者1人から平均何人にうつるかを表す「実効再生産数」、人工呼吸器の数などを踏まえて検討する考えを示した。
また、個人事業主に最大100万円、中小企業に最大200万円を8日から支給する持続化給付金に関し「少なくとも8日だけで約2万件以上、250億円以上の現金を届ける」と表明。中小企業向けの実質無利子無担保融資はすでに計20万件、総額3兆円分を実施したとも明らかにした。
従業員1人当たり日額8330円の雇用調整助成金の上限引き上げや、休業中も失業とみなして失業手当を受給できる雇用保険の特例措置「みなし失業」についても「検討したい」とし、「大切なのは必要なところにしっかりと手元資金が届くことだ」と強調した。
緊急事態条項を創設する憲法改正については「反対する人は常に『今はそういう時ではない』と言うが、時の問題ではなく、必要かどうかという問題だ」と議論の必要性を訴えた。
昨年5月に表明した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と無条件で会談する意向に関しては「決意は今も変わらない。さまざまなルートであらゆる手立てをとる」と述べ、日本人拉致問題の解決に全力を挙げる考えを重ねて示した。