今年の大型連休中の埼玉県内主要4駅周辺の人出が、新型コロナウイルス感染拡大前の1~2月と比較して、いずれの駅でも最大で7割以上減少したことが12日、県の集計で明らかになった。連休中の「ステイホーム」の呼びかけの成果が示された形だが、連休明けは人出が増えつつある傾向も見られ、県は、「緩み」が再度の感染拡大を招くことを警戒している。
集計は、大宮駅(さいたま市大宮区)と川越駅(川越市)、所沢駅(所沢市)、南越谷駅(越谷市)の周辺エリアについて実施した。携帯電話会社のデータを活用して4月25日から5月8日までの各日午後3時時点の人出を算出し、感染拡大前の1~2月の平日や休日の平均と比較した。
各駅で最も人出が減った日は、大宮駅が5月5日(減少率76・3%)、川越駅が4月26日(同71・7%)、所沢駅が5月4日(同70・8%)、南越谷駅が同5日(同75・8%)。とりわけ大宮駅での減少が際立ち、同3日から4日連続で減少率が75%以上だった。
人出の減少に比例するように、県内で確認される新型コロナウイルス感染者数も減少傾向にある。4月中旬は1日当たり30人を超える日が珍しくなかったが、最近は10人未満の日も多い。
とはいえ、楽観ばかりもできない。例えば、大宮駅の人出の減少率は連休明けの7、8両日は約55%にとどまっており、減り幅が縮小する傾向が見てとれる。
大野元裕知事は12日の記者会見で「県民が外出自粛に協力してくれた成果だ」と謝意を述べるとともに、「3月の3連休には自粛の緩みが出て感染が急増してしまった。ぜひ、もうひと踏ん張りお願いしたい」と強調した。
(竹之内秀介)