【名画プレイバック】「フォレスト・ガンプ/一期一会」





「フォレスト・ガンプ/一期一会」のブルーレイのジャケット写真

 新型コロナウイルスに感染して回復した俳優のトム・ハンクスは、見舞いの手紙をくれたオーストラリアの8歳の少年、コロナ・デブリース君に返事とともにスミス・コロナ社のタイプライターを贈って話題になった。手紙でコロナ君は、名前のためにいじめられているとも書いたが、ハンクスは「コロナとは本来、太陽の周りの光の輪のことだ」と教えた。

 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985年)3部作で名をあげたロバート・ゼメキス監督は、この94年の「フォレスト・ガンプ/一期一会」も大当たりし、ハンクスは2年連続でアカデミー賞主演男優賞を手にした。

 フォレストの名は、母親が「人は愚かである」という戒めを込めてつけたというからすごい。知的にも身体的にもハンディを抱えたガンプの周りには少しも幸せがない。驚くべきことに、未知のウイルスが原因の病気も登場する。

 米国の戦後史を重ねた物語は、「感動の名作」と紹介するには寓話(ぐうわ)的で一筋縄ではいかないが、ただガンプは何事も不幸とは認識せず、ひたすら走り、常に前に進む。すると周りの人たちが幸せになる。学ぶことの多い映画だ。

 ブルーレイ(NBCユニバーサル・エンターテインメント、1886円+税)のほか配信も。(石井健)



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