緊急事態宣言が続く中、大阪府が独自モデルの下で経済再開にかじを切ったことについて、日本総研の若林厚仁・関西経済研究センター長は「多くの中小企業で資金繰りが限界に近かった。今のタイミングでの経済再開は評価したい」と話す。
大阪府は近畿6府県の域内総生産の45%を占め、関西全体の景気・雇用に大きな影響を及ぼす。国の緊急経済対策や自治体の休業補償額は、中小企業にとっては売り上げ1カ月分ほど。また即座に受給できるわけでもないため、手元資金が少ない事業者も多い飲食業界にとっては打撃だ。「これ以上の休業要請が続けば、一時休業させた従業員を解雇に切り替える中小企業が増える」と予測する。
今後も感染症対策は重要だが、経済的には失業率の急上昇を避けるべきだとした上で、「休業要請が段階的に解除されても、新型コロナが収束しなければ消費は徐々にしか回復しない。さらに感染拡大の第2、3波が来る可能性もあり、国や自治体は追加の経済対策などの支援策を講じる必要がある」と強調した。