自宅が劇場「家-1グランプリ」 お笑い芸人も配信に活路

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芸人が自宅からの動画でネタを披露する「家-1グランプリ」の決勝進出メンバー。右中から時計回りにせいや(霜降り明星)、守谷日和、吉松ゴリラ、川原克己(天竺鼠)、野田クリスタル(マヂカルラブリー)

芸人が自宅からの動画でネタを披露する「家-1グランプリ」の決勝進出メンバー。右中から時計回りにせいや(霜降り明星)、守谷日和、吉松ゴリラ、川原克己(天竺鼠)、野田クリスタル(マヂカルラブリー)

 新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、テレビのバラエティー番組などでは、リモート出演による収録や放送が一般的になりつつある。お笑い芸人が多数集まるバラエティーなどの収録は現状では難しい。「ひな壇芸人」や「がや(にぎやかし)」などと呼ばれる芸人らは、テレビでの露出の場が失われている。この状況下、多くの芸人はウェブ上での動画配信などに活路を求めており、所属事務所もそれを後押しする流れとなっている。(兼松康)

 「みんなが大変な時期。少しでも笑いを提供できたと思うとうれしい」

 こう語るのは、5月3日に「ABEMA GOLDチャンネル」で放送された「家-1グランプリ2020~お笑い自宅芸No.1決定戦~」で優勝した、お笑いコンビ「天竺鼠」(てんじくねずみ)の川原克己だ。

 「家-1…」は千を超えるネタの応募の中から、予選を勝ち抜いた20組が本選に駒を進め、4組ずつに分かれた各ブロックから1人が決勝に進んだ。

 川原のほか、決勝に進出したのは、今年の「R-1グランプリ」で優勝した野田クリスタル(マヂカルラブリー)、せいや(霜降り明星)、ピン芸人の守谷日和、吉松ゴリラ。川原、野田はユーチューブでの公式チャンネルを持ち、せいやもコンビでの公式チャンネル「しもふりチューブ」がある。こうした面々は、コロナ騒動よりも早い時期から、動画配信を使った活動を盛んに行い、人気を博しているのも事実だ。

 一方で、自身のユーチューブチャンネル「ジャンキーゴリラTV」を持つ吉松は、動画配信こそ続けているものの、アルバイトをしながら芸人活動をしているのが実情。ところが、「バイトはイベント関係で、全部中止になった」とコロナ禍での苦境を吐露。「家-1グランプリ」の1週間前に、飲食宅配代行サービスのバイトを始めるまでは「50連休だった」と明かした。

 川原は、新型コロナでの自粛が始まってからの変化について、「今回の番組(『家-1…』)がまさにそう」と指摘。「コロナ騒動を機に、ユーチューブを始めた人もいる」と芸人の動画進出について説明した。野田も「ユーチューブをやっている決勝進出メンバーの動画をガンガン見てもらいたい」と話す。吉松も「次にやるときは(他の決勝進出者のような)しっかりしたネタを考えたい」と、「家-1…」をはじめ、動画の配信にさらに力を入れたい意向を明かした。

 漫才やコントを含むお笑いは、短時間で発信できるものも多いため、テレビでの露出が少なくなる中、動画配信の重要度がさらに高まることにもなりそうだ。

 こうした芸人の動画配信強化の動きを、吉本興業も後押ししている。自宅でスマートフォンやパソコンを使って、手軽にコンテンツが楽しめるプロジェクト「#吉本自宅劇場」を始めたのだ。

 同社では、3月から直営劇場での公演や主催興行、イベントが中止、延期となっており、テレビ番組だけでなく、所属芸人の活動の場がほとんどなくなっているのが実情だ。そうした中で、自宅にいる芸人やタレントが、視聴者の自宅に「笑顔を届ける新しい取り組み」という。

 「家-1…」もそのプロジェクトの一環だった。自宅で楽しめるバラエティー番組のほかにも、ダンスのワークショップや、芸人のアートギャラリー、音楽など、持てるコンテンツをフル活用し、所属芸人、一般に向けたタレントの露出の場も確保している形だ。

 緊急事態宣言は全国で解除されたが、今後、以前と同じような形式での番組収録は難しくなる可能性が高いとみられる。安全性とタレントの露出の場の双方を確保する意味でも、動画配信への取り組みは広がりそうだ。

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