危険運転の適用範囲を拡大する自動車運転処罰法改正案は27日、衆院法務委員会で全会一致で可決された。他人の車の前方に急に割り込み、自分の車を停止させる行為を新たに処罰対象とする。28日の衆院本会議で可決され、参院に送付される見通し。
神奈川県大井町の東名高速道路で平成29年6月、あおり運転を受け、追い越し車線上で停車させられたワゴン車が後続のトラックに追突され、夫婦が死亡した事故を受けた対応。森雅子法相は「あおり運転による悲惨な死傷事犯が少なからず発生している。コロナ禍ではあるが、法案を一刻も早く成立させることが大切だ」と語った。
現行法は、加害者側の車が、重大事故につながる速度で走行していることを危険運転の要件としている。東名の事故で危険運転致死傷罪に問われた男の裁判では、1、2審判決とも速度がゼロの停車行為を危険運転と認めなかった。