36人が死亡、33人が負傷した京都アニメーション放火殺人事件で、殺人や現住建造物等放火などの疑いで京都府警に逮捕された青葉真司容疑者(42)が「死にたくなかった」と供述していることが29日、捜査関係者への取材で分かった。「右腕に火がついたので外に出た」とも話しており、府警は、青葉容疑者が現場の第1スタジオにガソリンをまいて火をつけたあと、想像以上の火勢に驚いて外に出たとみている。
また青葉容疑者が、自宅のあるさいたま市から包丁を持参し「当初は包丁で襲おうと考えていた」と説明していることも判明。逮捕後に「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると思った」と供述していることから、府警は途中で襲撃方法を変更したとみて、詳しく調べている。
青葉容疑者は昨年7月18日午前10時半ごろ、京都市伏見区にある鉄筋コンクリート3階建ての第1スタジオに侵入。1階にガソリンをまき火をつけて全焼させ、建物内にいた社員36人を殺害し、34人を殺害しようとしたなどとして、27日に逮捕された。
事件当時の状況については、右腕に火がついたことのほか、「1階に入ったときは少なくとも3、4人が目に入った」などと説明しているといい、府警は供述の裏付けを進めている。
捜査関係者によると、青葉容疑者は記憶が薄れているようなところもあるが、動揺などもなく取り調べに応じているという。