日本一の生産量を誇る茨城県産メロンが出荷最盛期を迎えた。今年は新型コロナウイルスの影響で、イベントや飲食店での需要が落ち込む中、県や販売施設では従来のPRに加え、ドライブスルーやインターネットを活用した新たな販売方法も展開。昨年の台風に続くさらなる試練を乗り越えるために、「メロン王国」の奮闘は続く。(永井大輔)
「イバラキング」「オトメメロン」「アンデスメロン」…。独自の品種も含め多種多様なメロンが魅力の茨城では県が5、6月を「ハッピー・メロン・シーズン」と銘打って県産メロンをPRしている。
4日には、県内で最もメロン栽培が盛んな鉾田市と県職員が水戸市南町の産経新聞社水戸支局を訪れた。県の職員は「県産メロンは品種が多く、糖度が高いのに、価格が手ごろなのが魅力」とPRしていた。
県は、簡単にできるプロ監修のメロン料理レシピをユーチューブなどで公開。県内飲食店で県産メロンを使ったオリジナルメニューを提供するフェアも実施している。
また、新型コロナ感染のリスクを避けつつ、県産メロンをPRするため、7日に日本初とされる「オンラインメロン狩り」も開催する(受け付けは終了)。同市のメロン農家と全国の家庭をネットでつなぎ、メロンの収穫を疑似体験できる企画だ。ライブ配信の動画で市内のメロン畑を回り、生産者は栽培のポイントや選び方を解説し質疑にも応じる。その後、食べ頃に熟したメロンが届き、参加者は自宅で県産メロンを味わえる。
販売施設でも新たな取り組みが行われている。JA茨城旭村の直売所「サングリーン旭」(鉾田市)は、メロンのドライブスルー方式販売を始めた。新型コロナの感染予防につなげたい考えで、6月下旬まで続けるという。車から降りて購入することも可能で、主要なメロンは午前中に売り切れてしまう人気ぶりだ。他の直売所や百貨店でもネット通販のメロン販売を促進させている。
こうした取り組みが奏功し、県産メロンの出荷量と卸値は前年比で微減を保っている。県は引き続き、贈答品や家庭内での消費を呼びかけ、メロン生産量日本一の地位を守る。