【テレビのミライ】「新たな視聴者取り込む好機」電通総研の奥律哉フェロー

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、在宅で過ごす人が増えたことがテレビの視聴動向に大きな変化をもたらしている。

 ビデオリサーチが4月23日に発表したプレスリリースによると、4月13~19日の週のテレビの視聴量(時間)は、13~19歳の男女、20~34歳の男性、35~49歳の男性という層で前年同期に比べ、1・5倍以上になっている。

 これはすごい現象といえる。激増した年齢層の人たちは普段、学校や仕事で外に出ていることが多く、インターネットに軸足を置いた生活を送っている。だんだんテレビが見られなくなっているという話がある中で、最もテレビと距離感のあった人たちがテレビ放送を見始めている。

 ただ、ここでテレビとネットの関係が課題となる。

 テレビはこれまで、月曜から金曜までの日中に家にいる人、主婦や年配者らをターゲットにした番組を編成していた。平日朝や午後に帯番組として放送されているワイドショーがその代表例だ。

 一般的に新聞やテレビで情報を得ている年配者らは、若い人を中心にしたネットユーザーに対して「一次情報ではない不確かなものを見て」というイメージを持っているかもしれない。確かに、フェイスブックやツイッターといったSNSに自分のアンテナ感度に近い人たちが集まるという意味では、バイアス(偏り)がかかりやすいという側面がある。

 しかし、ネットには別の側面もある。接触できる情報量が多く、そこにはテレビで報道されていない情報や異なる視点からの情報が含まれている。ネットユーザーはそれらの情報を総合的に咀嚼(そしゃく)する情報リテラシーにたけている。そうした経験ができるため、ネット利用者は自分とは違う意見もしっかりと見て、軸足を持っているように私は思っている。

 ネットの多面性に慣れ親しんだ人たちは、テレビの新型コロナウイルスの報道に物足りなさを感じているのではないか。私もその一人で、比較的同じ情報が飛び交っていて、深い報道が少ないという印象がある。

 放送の制作現場では、ロケができない、ソーシャルディスタンスを確保するためのリモート出演など、「ウィズコロナ時代」に対応するさまざまな試行錯誤が行われている。今こそ在宅勤務をしている新しい視聴者を取り込み、視聴を継続させるチャンスと前向きに捉えたい。

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