【上海=三塚聖平】中国自動車工業協会が11日発表した5月の新車販売台数は、前年同月比14・5%増の219万4千台だった。22カ月ぶりに前年実績を上回った4月(4・4%増)から伸び率を大幅に拡大させ、2カ月連続のプラスを達成した。中国自動車市場は新型コロナウイルス蔓延(まんえん)の影響で2月を中心に大幅に悪化したが、経済活動の再開を受けて回復傾向が出ている。
5月の内訳では、乗用車は7・0%増とプラスに転じた。商用車は48・0%増と大幅な増加を続けた。
同協会は、中央・地方政府による自動車市場への刺激策などにより、消費者心理の改善が進んでいると指摘。一方、感染拡大による世界経済低迷の影響で、中国国内の消費回復も停滞する可能性があると、先行きに警戒感を示した。
日系大手4社の5月の新車販売は、トヨタ自動車、日産自動車、マツダの3社が前年同月比でプラスを確保し、ホンダも1・7%減とほぼ前年並みの水準にまで減少幅を縮めた。ただ、足元の販売好調は、これまでに消化しきれなかった需要がずれ込んで起きている側面もあるとみられる。