今月下旬にピークを迎える今年の株主総会が、新型コロナウイルスの影響で様変わりしている。多くの企業が会場での感染拡大を防ぐため株主に来場の自粛を促すほか、送迎バスの運行や手土産などを廃止。一方でインターネットを活用して会場の様子を動画で中継したり、スマートフォンで議案への投票を可能にしたりする企業が増え、株主総会にも“リモート化”の波が押し寄せている。(山本考志)
「当日のご来場をお控えいただきますよう、お願い申しあげます」
パナソニックは25日に大阪市中央区の大阪城ホールで開く定時株主総会に向け、株主に対して送付した招集通知の表紙に、こう注意書きを記した。
新型コロナウイルスの感染予防のためで、会場では株主の検温やマスク着用、アルコール消毒液の使用などを呼び掛ける。飲み物の提供もやめ、例年は東京と名古屋に開設していた中継会場も設けない。
同社広報は「株主には例年に比べ不便をかけることになるが、感染予防のためご理解をお願いしたい」としている。
11日に愛知県豊田市の本社で総会を開いたトヨタ自動車も同様の対応に加え、最寄り駅と会場をつなぐ送迎バスの運行を廃止した。26日に京都市南区の本社で総会を開く任天堂は手土産の廃止や開催時間の短縮、株主同士の距離をとるための席数削減などを行う予定だ。